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TOPPANが「生活者の未来の気持ち」を追う

みなさん、はじめまして。
私たちはTOPPANデジタルの生活者の気持ち調査チームです。

少しだけ私の自己紹介をさせていただくと、TOPPANデジタルには、3年前に中途入社し、元々は小売業で働いていました。来店いただいたお客様への接客、商品の発注業務からクレーム対応など、店舗の業務は多岐に渡ります。当時は、接客したお客様からの「ありがとうね」の一言が最大の喜びでした。この言葉で一気に元気になれますし、パワーチャージ出来るんです。売上も大切ですが、お客様にいかに満足してお買い物いただけるか。さらにリピート、店舗のファンになっていただき、再来店に繋げられるかを目標にしていました。

話を戻します。
当調査チームはコロナ禍だった2021年9月から店舗でお買い物される「お客様の気持ち=生活者の心理」を日々、追い続けています。えぇ?TOPPANが生活者の気持ち??何に使うの?意味あるの?と思いますよね。

今回は、記念すべき1回目ということで、タイトルにある「生活者の未来の気持ち」の取り組みの背景や生活者心理の重要性をお話しします。


お買い物中の気持ち?

突然ですが、みなさんは、スーパー、ドラッグストア、コンビニなどで買い物する際に、何を思い、何を感じて商品を手に取りますか?パッケージが魅力的、欲しいから買う、無意識に手に取っていた、何も考えてない、100人の方がいれば、買い方、考え方も100通りあります。

「生活者の気持ち・行動」は「パーソナル、個々の気持ち・行動」であり、今後この傾向はさらに加速し、この「生活者の気持ち」が、より重要な時代になってきます。

なぜ「生活者の気持ち」が必要なのか?

当調査チームは、TOPPANデジタルのスマートSCM推進本部に所属しており、小売業界に対し、流通DXのご支援をしています。簡単に言うと「働き手が不足している今、デジタルの力で、流通小売業の業務改善を図り、その分をお客様への接客に時間をあてていただき、店舗の売上アップを目標」に支援しています。

TOPPANの流通DX商材を提案させていただくにあたり、商材の専門的な話ばかりでは一方通行の会話になってしまいます。就職の面接でも、他社との商談でも大切なことは、相手と会話のキャッチボールが出来るかです。

したがって、円滑なコミュニケーションを進めるためには、商談相手である小売業のみなさまと同じ目線、同じステージ、同じ立場に立って話をすることが大前提と考えています。

その小売業のみなさまの目線はどこか?競合他社でもなければ、商品メーカーでもありません。「来店してくださるお客様」です。

接客や売場でのお客様との会話を通して、お客様が今、何を想い、何を考え、何を感じ、お買い物をしているのか?これをいかに感じ取れるかが重要です。そして、それをお客様に1番近い存在の売場作り、また来店施策の販売促進に活かせるかにかかっています。しかし、店舗で働くみなさんが「お客様の声・気持ち」を汲み取るには限界があります。

ここで、おやっ?と思った方、正解です!TOPPANも小売業のみなさまも「お客様の気持ち」、特にこの先の「生活者の未来の気持ちを知りたい」と思っており、両者の思惑が一致した瞬間です。

直接、お客様である生活者に聞くことが1番早い

では、どうやってお客様である生活者の気持ちを調べるのか?

生活者の気持ちは日々、変化していきますよね。気温や天気の少しの変化で、店舗で売れるものが毎日変わることと一緒です。

小売業界では、これまではPOSデータを活用していました。今は購買者の性別年齢などの情報+何を買ったのかという売上データ、つまりID-POSデータ(顧客ID付きPOSデータ)が購買分析の主流になっており、価値のある重要な売上データではありますが、見方を変えると、あくまでも過去のお客様の購買データであり、その中には「なぜ商品を買ったのか」という「購買動機」が読み取れないことを考慮する必要があります。その生活者の日々の気持ちの変化に対応するためには、生活者に直接聞くことで、リアルの生の意見を聞けるのでは?しかも1番早い!ことに気づきました。

※「1番早い」にこだわる理由は、みなさんは食品を買う時に「新鮮さ・鮮度がいい」ものを選びますよね?それと同じで、「生活者の気持ち」は日々変化しており、まさに「新鮮」「フレッシュ感」が大切です。

その手法として、TOPPANグループの株式会社ONE COMPATHが運営する国内最大級の電子チラシサイトShufoo!を活用しています。Shufoo!とは、日本全国約1,000万人の買い物ユーザーが集まるメディア媒体で、チラシやクーポン、レシピに至るまで、お買い物に役立つ様々なコンテンツを提供しています。


Shufoo!に集まるユーザーは購買意欲の高いお客様のため、お買い物に関しては信頼性の高い、品質の良い情報を取得することが出来ます。その皆さまに直接聞く活動、つまり、私たちの「未来の気持ち」調査が始まりました。

「未来の気持ち」とは?

TOPPANグループの株式会社ONE COMPATHのShufoo!会員に向け、約3か月~数ヶ月先の未来の生活者ご自身の気持ちや行動を思いつくままに、想像していただき、それをご自身で言語化し、自由回答(フリーアンサー)調査を実施しています。「未来の気持ち」を簡単に言うと、「生活者による未来予測」です。

この「未来の気持ち」調査で重要なポイントは、自由回答(フリーアンサー)ということです。

読者のみなさんの中でアンケートに回答したことがある方は、想像できるかもしれませんが、選択式の回答方法が一般的と思います。

ここで、みなさんに考えて欲しいことがあります。

感情をもつ人間、つまり、生活者の気持ちを限られた選択式の回答方法で完全に読み取れるでしょうか?

冒頭にお話ししたように100人いれば100通りの気持ちが存在します。この無限に存在する生活者の気持ちを、選択式の回答方法で狭めてしまっていいのか?絞ってしまっていいのか?

当調査チームは、この無限の生活者の気持ちを型にはめず、収集することで新しい気づき、発見があるのではないか?という仮説をもとに、自由回答(フリーアンサー)形式で調査を続けています。

この調査では毎回、約1万人を越えるShufoo!会員の皆さまに回答して頂いています。

ここで少しお時間をください。
今まで御礼を伝えられていないこともあり、この場をお借りして「Shufoo!会員の皆さま、毎月ご回答頂き、ありがとうございます。これからも、この先の未来を見据えた、皆さんの行動予測をお待ちしています!」

最後に、もう1つだけ私たちの取り組みをご紹介させてください。
私たちは定期的に調査を実施しており、その調査結果をレポートにまとめています。そのレポートは、TOPPAN営業・TOPPAN企画部門を通じて流通小売業・メーカー各社に、最新の生活者情報のレポートとしてお届けする取り組みも行っています。

さらに、リアル現場にも行きます💪

「生活者の気持ち」を深堀りするために、生活者に1番近いリアル現場である小売業の店舗をウォッチングすることも大切です。

リアルな現場を見ずして、調査結果だけを見ていたら、それは生活者の気持ちを感じ得ることにはなりません。会社での机上業務が全てではなく、小売業が1番近くで接しているお客様である「生活者」に私たちも追いつくことが必要です。

売場の商品棚で何が売れているのか?も大切ですが、それよりも、来店中のお客様のカゴ(バスケット)の中身、お買い物されている様子、どのような買い回りをされているか、カートを使っている or 使っていないなど、視点を生活者中心に向けていきます。

調査結果だけでは計りえない、「生活者のリアルな消費行動」を目の前で、見て、感じ取ることは、私たちが「生活者の気持ち」を追う以上、大切なミッションの1つでもあります。

コロナ禍を経た生活者のお買い物心理

みなさんの記憶にも残っている新型コロナウィルス感染症は、いつもの生活環境に劇的な変化をもたらしました。緊急事態宣言では不要不急の外出制限、急ピッチで推進された在宅勤務、こんなに短期間で世の中が変わったことがあったでしょうか?

この変化を目の当たりにし、この先の時代の変化の速さ、流行り廃りの速さも急速で変わる気がしました。

生活者のいつもの買い物方法にも変化がありました。コロナ禍では、感染しないために店内滞在時間を短くし、メモを持ち、買うものを決めて買い物に行く傾向でした。

そして、物価高の今、「必要なものしか買わない」「余計なものを買わない」というメモを持って買い物をする姿に変わりませんが、買い物の概念が「感染したくない」から「節約」中心の買い物行動に変わりました。


この先に待ち構える「生活者の気持ち」とは?

ここまで物価高が続くと小売業・商品メーカーは第1に「価格」、さらに商品が持つ「品質」「美味しさ」「魅力」を生活者へ伝えていかなければ、お店も商品も選ばれない時代になってきています。

「価格と品質のバランス」「商品と価格が見合っているか」、つまり「コストパフォーマンス」重視の傾向は変わらず、給料が上がらない物価高の今、この環境下で生活者の深層にある気持ちは「お金を払う以上は買い物で失敗したくない」「必要なものしか買わない」「無駄遣いしない」、でも「自分の楽しみにはお金を使いたい」、旅行、趣味、推し活など、「たまには贅沢」「メリハリ消費」「消費の二極化」は今後も続き、より進化していくでしょう。

最大のミッションは「生活者の気持ち」を追い続けること

お買い物される「生活者の気持ち」を追うことは、膨大なアンケート調査結果データ(回答者は毎回、約1万人の生活者)との闘いと言われることもありますが、私たちはそうは思いません。

当調査チームにとって「約1万人の生活者の調査結果」は「約1万人のお客様との会話」です。

元販売員の私からすると、1日に売場で接客できるお客様の人数の限界を知っている以上、1万人のお客様の気持ちを知り得る価値は、お金にも、何にも代えられません。この「会話」から生活者が何を考え、今を想い、これからどのように行動していくのか。その「未来の気持ちを、いかに生活者に近づき汲み取れるか、追い続けられるか」。

これが私たち調査チームの重要なミッションであり、永遠のテーマです。

まとめ

会社名から印刷の文字が取れたTOPPANが、「生活者の気持ち」を追う取り組み、みなさんに少しでもお伝えできれば幸いです。

小売業は単に商品やサービスを売っているだけではなく、微妙な気温の変化、雨の日と晴れの日で販売方法を変えています。また、商品メーカーも生活者ニーズを探求し続け、商品開発を実施しています。つまり、「生活者の気持ち」を追い続けることが小売業・商品メーカーの原点と考えています。そのために、私たちも一緒に「生活者の気持ち」を追い続けていきます。

次回からは、いよいよ私たちの具体的な取り組みをご紹介します。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。