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獣害対策DXの取り組み 凸版印刷 ICT KŌBŌ®️ ARIAKE

こんにちは。ICT KŌBŌ®です。

梅雨明けも間近で、夏がやって来てますね。ICT KŌBŌ®️ ARIAKEが拠点を構える大牟田市も体にこたえる天気が続きますが、暑さに負けず日々業務に励んでいます。
今回は、獣害DXの取り組み、それに伴うZETAの電波調査について取り上げます!

背景

大牟田市では、イノシシによる獣害が問題となっており、住宅地への侵入や農作物の被害、捕獲数も年々増加しているとのご相談をいただきました。
実際、イノシシ罠の見回りに同行した際は、畑が荒らされた場面にも遭遇しました。

荒らされた畑

また、住宅地近くの高台ではイノシシが地面を掘り、土砂崩れの危険性が高まっているようです。

イノシシによる穴掘り

地元猟友会は「会員の高齢化」や「後継者不足」が進み、駆除活動の継続が危ぶまれています。またイノシシ罠は市内に80か所以上設置されており、これらの罠の見回りは1日に4時間以上を週3回程度のサイクルで実施しています。この見回り作業には非常に多くの労力が必要です。

このような状況を解決するため、ICT KŌBŌ®️ ARIAKEでは、大牟田市、地元猟友会と連携し、イノシシ獣害対策プロジェクトを推進しています。

実証実験

罠の見回りを効率化するため、トッパンが開発したリモワーナを導入し、実証実験することになりました。リモワーナは、罠の出入り口に開閉センサーを設置し、イノシシの捕獲状況を遠隔監視することが可能です。これにより、労力を削減し持続可能なイノシシ駆除活動を実現することを目指しています。

またリモワーナでは、開閉センサーの状態を送信するために、トッパンが提供するLPWA規格の一つであるZETAを使用します。ZETAは、電波の到達範囲が広く、省電力性に優れているため、リモワーナとの組み合わせに適しています。

リモワーナとZETAの詳細はこちらからご覧ください。

ZETA電波調査

実証実験の準備段階として、ZETAの電波調査を実施しました。この調査にはトッパンのZETA担当チームと連携して、まずはセンサー設置候補地を挙げ、電波強度をシミュレーションしました。シミュレーションの結果、候補地にZETAの電波が届くことが分かりました。

しかし、現地の罠周りの自然環境や建築物などの要素も考慮する必要があり、実地調査も行っております。ZETAの基地局を設置し、罠への電波到達及び強度を検証しました。

ZETA基地局の設置
箱罠へ電波調査キットを設置

今後の展望

10月から対象のイノシシ罠にセンサーを設置し、猟友会の方々にリモワーナを使っていただく予定です。
また、ZETA網が敷設されることで他のセンサーの情報も収集可能となります。猟友会との対話の中で、イノシシ罠の見回りに関連する他の課題も浮き彫りになっているので、リモワーナ以外にも、独自のセンサーを開発し、実証実験に盛り込む予定です。すでに実証実験に取り組んでいる圃場管理システムのセンサー開発で培った知見を活かし、効果を検証します。
また最終的にはZETAを大牟田市全域に敷設し、IoTを活用した住民サービスの向上に繋げたいと考えています。

終わりに

ICT KŌBŌ®️ ARIAKEは、2022年9月に開設されて以来、徐々に人員が増え、プロジェクトも活発になってきました。初心を忘れず、市民とのコミュニケーションを図りながら、地域の課題に対する突破口となるソリューション開発へと一歩ずつ進んでいきます。

以上、ICT KŌBŌ®からの報告でした。
次回の記事もお楽しみに!