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ビニールハウス温度管理の省力化に向けた取り組み 凸版印刷 ICT KŌBŌ®︎ URUMA

ハイサイ!ICT KŌBŌ®︎ です。

最近暑いですね?
ICT KŌBŌ®︎ URUMAがある沖縄県では日中に30度近くまで気温が上がり、夜になっても25度までしか下がりません。快適に過ごすため、電気代に怯えながらクーラーを稼働させています。

しかし、この暑さにして沖縄は最も”アツイ”シーズンを迎えます。

そう、沖縄の夏といえば……

熟す前はこんな色をしています

マンゴーです!

私たち ICT KŌBŌ®︎ URUMA はマンゴー農家の方にご協力をいただき、IoT機器をつかったビニールハウスの温度管理に関する実証実験をしています

なぜこのような取り組みをしているのか、具体的に何をしているのかなど詳しくお話ししていきますのでぜひ最後までご覧ください!

背景

このプロジェクトは、マンゴー農家の佐藤さん(仮名)との出会いからはじまりました。普段の活動をご紹介いただくとともに、お持ちの課題感をヒアリングすることができました。

佐藤さんによればマンゴーの温度管理は「シビア」だといいます。仮にビニールハウス内の温度が上がりすぎると花がしおれて実がならなくなったり、実が焼けて変色したりしてしまいます。
収穫量を安定させるため、温度管理に気を使う必要があるということです。

温度管理」とはいっても特別な設備がないビニールハウスでは、直接足を運んで温度計を確認し、大型扇風機の稼働や屋根の開閉によって送風と換気を行います。佐藤さんもその他に多くの作業がある中で朝・昼・夕方とこれらの対応を行っていました。

もし遠隔で温度管理をすることができれば移動の手間が減らせますし、他の場所で作業をしていても安心です。

実証実験

こうした背景から、設置したセンサの値をWEBのダッシュボードから確認できる機能に加えて、一定の温度を超えるとスマートフォンに通知する機能を実装しました。

出来上がった機器はこちらです!

PoC機器

温度センサとマイコンを筐体で囲うことで直射日光や雨を防ぎます。また、パーツに隙間を設けつつ1.5mの高さに設置することである程度の風通しを確保しています。

通気性を確保

これらの通気の仕組みや設置高さについては「百葉箱」を参考にしました。

百葉箱といえば小学校などに設置してある気象観測用の白い木箱ですが、今ではもう殆ど使われていないそうです。気象庁の気象観測地点では電動のファンを搭載した「強制通風筒」という機器に切り替わっています。ファンで空気を取り込んで熱交換をおこなうことで、従来よりも高い精度で気象観測ができるようです。

今回のPoC機器でもおおよそ正しい温度が計測されていますが、将来的にこの仕組みを採用することでさらなる精度向上が望めます。

今後の展望

今回は温度を可視化してアラートを飛ばすところまでの実装ですが、送風・換気設備のON/OFF自動化ができれば、完全に遠隔での温度管理が可能になります。その他、収集したデータを分析することで温度変化の傾向を知ることができます。

また、本実験では機器の通信にLTEを用いましたが、ZETAを使った実験にも取り組みたいと思います。ZETAネットワークを構築し、複数のビニールハウスにセンサを設置して広範囲のデータを収集することで、温度変化の傾向の分析精度が向上します。さらに天気、照度などのデータと組み合わせることでそのエリアやビニールハウスごとの生育状況が分析可能になるでしょう。

ZETAの詳細については以下の記事をご覧ください。

終わりに

今回はマンゴー栽培における温度管理の省力化に向けて第一歩を踏み出しました。こうしてヒアリングから課題解決まで一気通貫で取り組めるのはICT KŌBŌ®︎ ならではの魅力だと思います。
今後に向けて沖縄の夏をエネルギッシュに駆け抜けてまいりますので、引き続き応援のほどよろしくお願いいたします!そして突然ですが、最後に謎かけで締めたいと思います。

マンゴー栽培とかけまして、歓送迎会と解く。
その心は、どちらも「温度(音頭)」が重要でしょう。

ICT KŌBŌ®︎ URUMA

——————次回もお楽しみに!